概念設計手法(教科書)
更新日:2015年08月27日
概念設計手法(教科書)のブログは、その執筆を通じ、研修セミナーで講義する「概念設計手法」の内容を、教科書化することを目指すものです。その教科書によって、セミナーに参加できなかった方が、独学できるようになります。また、セミナーにこれから参加される方あるいは既に参加された方が、予習用あるいは復習用としてその教科書を利用し学習できるようになります。他方、講師の研修セミナーでの説明を、肉声で聞き白板等での説明を目でみて確認したい方には、セミナー動画をDVDに記録したものを、販売もしていきます。 概念設計手法は、概念(コンセプト)をどのようにしたら見出せるか、その手法としての手順を、コンセプトの構成要素の成立過程を抽象化した世界で逆行させてオントロジー(考え方のフレームワーク)として定義し、そのフレームワークに沿い収集した情報あるいは議論した結果を格納することによって、ガイドされた(順行した)脈絡を持った概念を導出させるものです。研修セミナーでは、その概念設計手法を学習して、次のような
『「会議を科学する方法」or「不明瞭な意図のピントを合わせる方法」を見出す』
という命題の達成を目指します。その際、『 背景にある根幹の方法論 』である
①「 無限の考えを有限化 」 = 「 無限の世界の中での際限のない議論の回避 」
②「 どうしたら皆が幸せになれるか 」 @「 共通認識の醸成 」
を獲得してもらいます。その結果、『 背景にある結論 』として、
③「 概念設計手法の構築 」 = 「 どう知識/知見を組立て“知”を創り出すか 」
であることの認識に至ります。 この根幹の方法論の構築のために、
◇統一した宇宙観
◇3つの思考
・オントロジー思考
・コンテクスト思考
・「概念≡システム」思考
が用いられ、以下の5つのキーポイントの理解が必要になります。
◇概念(≡システム)は、6つの要素を持っている
:目的・目標・仕様・達成手段・プロセス・うれしさ
◇システムは、階層構造(クラスオブジェクト)を持っている
◇「正解=複数の視点で見て同時に成立するもの」です
◇議論の対象は、リアルワールドオブジェクトとして4つの視点で整理します
:クラス・プロパティ・構成・アソシエーション
◇バックワードキャスティング&フォアワードキャスティング両方同時のオントロジー
を採用します 特に、根幹の方法論の中、①が中心に位置します。その際のキーとなる考え方は、5つのキーポンイトで示したバックワードキャスティング(B.C.)とフォアワードキャスティング(F.C.)の両方向同時のオントロジーです。注意して欲しいのは、「B.C.で且つF.C.」の考え方が重要であるということです(B.C.あるいはF.C.のどちらか一方だけでは、問題を抱え込む(正しいコンセプトの導出ができない)ことになります)。
尚、これらのことを目指す研修セミナーでの講義の目次立ては、次のようになります。
第1回研修セミナーでの学習テーマ オントロジーとは?
- 「考え方のフレームワーク」
- 何故「オントロジー」が必要か
- 「無限の考えを有限化する」とは
- 「共通認識」をどうしたら持てるか
- 何故「“議論対象”のモデル化」なのか
概念(コンセプト)とは?
- 自分がやりたいこと/作りたいものは「一体何?」
なのかを明確にしたもの - 概念(コンセプト)の構造(モデル)
- 立体構造をした(3次元の)クラスオブジェクトの導入
皆が幸せになるとは?
- 概念設計手法としてのオントロジー(考え方のフレームワーク)の提案
第2回研修セミナーでの学習テーマ 「共通認識」とは?
- 「全ての議論の対象はシステム」との認識
- 「関与者(ステークホルダー)」は誰かの認識
- 「各関与者(ステークホルダー)の価値観」は何かの認識
共通認識を持つにはどうすればよいか?
- システムの「モデル化(見える化)」の必要性
- 「モデルの属性」とクラスオブジェクト
- モデル表現の仕方
- 各モデル表現間の関係
関与者間での利害得失の調整
第3回研修セミナーでの学習テーマ 「概念設計手法」の構造(オントロジー:フレームワーク)
- 「命題」とはと、そのプロセス、並びに次フェーズとの関連
- 「現状把握&問題領域・ニーズ分析フェーズ」とはと 〃
- 「命題の検証フェーズ;正当性・妥当性の分析」とはと 〃
- 「要求の抽出フェーズ;方策・要求・要求機能・代替手段」とはと 〃
- 「システムコンセプト作成フェーズ」とはと、 〃
■第4回研修セミナーでの学習テーマ 概念設計手法の適用
- 「オントロジー」と「調査/検討項目」の関係
- 適用時の「留意点」
- 調査/検討結果の「トラッキング」と「トレーシング」
概念設計時の体制と進め方 概念設計手法のPCツール支援 概念設計手法の他への応用と手法を使ったビジネスモデル 次回以降、順次この目次立てに沿って教科書化を目指した解説としてのブログを書き進めて行きます。
以上