パーソナルエアクラフトのブログを書くに及んで

更新日:2015年08月19日

会員の皆さんの中には、「空飛ぶ車」という言葉を耳にした方もいるのではないでしょうか。最近の例で言えば、ハーバード大の学生が設立した会社が、“Telafusia”という名前の空飛ぶ車を発表し、その後試作して飛行に成功したのは記憶に新しいところです。「空飛ぶ車」と言われると、キャッチーな響があるので、ついつい“車に翼をつけたような乗り物”をイメージしてしまいます。ハーバード大のそれも、その言葉に引っ張られた感のある乗り物になっています。しかしながら、その様な発想は100年ほど前からなされ、多くのベンチャーがその製品化に挑んで
来ました。しかしながら、どれ一つとして、ちゃんと空を飛ぶにも拘わらず、新たな産業としてその乗り物を世の中に供給出来てきた企業はありません。それは、何故でしょうか?

その答えは簡単です。お客さんが居ないからです。その時々に発表された「空飛ぶ車」は大変話題になり、都度、マスコミにも大々的に取り上げられ、大衆の注目を浴びるところとなりました。あの有名な女優のマリリンモンローも、ある時期のものに試乗し、ご満悦の様子のニュース映像を見たことがあります。しかしながら、試作した機が1台でも事故を起こそうものなら、「やはりね」とばかりに、その衆目は跡形もなく消えて行ったのです。あれだけ熱狂的に関心を示したのだから、何人かの人が購入し、そこそこの事業になっていてもおかしくはないのです。ですが、一つとして事業として成功している会社は存在していません。要は、自分がお金を出し購入した上、危険を冒して飛ぼうとする人が居なかったのです。お金のみならず命を引き換えにしてでも、その乗り物が創り出すうれしさを享受したいと思う人がいないということです。

皆さんは、「Back to The Future」といウ映画を見られた方も多いのではないでしょうか。あの映画では、中古のデローリアンが翼も広げる訳でもなく空を飛び回わります。誰一人として、「あのような乗り物は要らない」と思う人はいないのではないでしょうか。安全で値段に手が届くなら、是非購入してみたいと思うのではないでしょうか。21世紀に入り既に十数年も経つにも拘わらず、周りを見渡しても、自動車のように普通の人が、空という3次元空間を自在に飛び回る(勿論、静止もバックもできる)ことができる乗り物は、存在していません。この科学の時代に不思議な現象です。

この不思議な現象の原因を紐解き、それを取り除くと共に、誰しもが抱く安心して「鳥のように自由に飛んでみたい」という願望を実現できるならば、その乗り物は、今の自動車のように一大産業を形成するのではないでしょうか。これを容易に実現できるのは、種々の理由から今の自動車メーカーだと思っております。自動車の技術と品質で空を飛ぶ個人が所有する(パーソナルな)空の乗り物、これこそ正に「空飛ぶ車=パーソナルエアクラフト」だと思います。但し、今の自動車の技術だけでは、空を自在に飛ぶことはできないはずです。では、ここで言う「空飛ぶ車」は何を実現すればよいことになるのでしょうか。そのパーソナルエアクラフトのコンセプトを求め、今からこのブログは離陸します。
長丁場ですが、是非、お付き合い下さい。              以上

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